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小野田寛郎氏 講演会「戦後、私たちが失ったこころ」報告

青年海外協力隊東京OB会主催、” 最後の帰還兵”小野田寛郎氏 講演会「戦後、私たちが失ったこころ」が終わりました。小野田寛郎・町枝ご夫妻、小野田自然塾の皆さまへ、心から感謝します。そしてスタッフの皆さん、お疲れさまでした。


司会の挨拶を引き継いで、小野田さんの開口一番は、青年海外協力隊の創設の父であり、小野田さんの親友でもある、故・末次一郎さんの話から始まりました。

陸軍中野学校での出会いを経て、小野田さんは任務を全うするために30年間、フィリピン・ルバング島のジャングルで戦争を続け、末次さんは敗戦後の混乱の中で、日本の復興に尽くしました。それぞれの方法は違っても、日本のために戦い続けたお2人の意志の強さと行動する力に、改めて感銘を受けました。同時に、中野学校への在籍期間は数か月なのにもかかわらず、30年後に出会い直してからも強い絆でつながり続けたことにも感動しました。


帰還後、日本が物質的に豊かになったことを素直に喜ぶと同時に、戦前・戦中の価値観とのあまりのギャップにとまどったそうです。帰国後すぐ、靖国神社へ訪問することに対して、「軍国主義の復活」と非難されたことに触れ、「軍人かどうか以前に、人として、同志の霊を慰めるという当然の行為をしただけです」と語っていました。


戦争そのものに対しては否定をしない小野田さんの考え方に、その部分では共感できませんでしたが、戦争を否定するのであれば、その原因をもっと突き詰め、現在も行われている戦争と自分の生活を結びつけて考えなければならないと思います。特に日本人の持つ影響力の大きさを、もっと自覚しなければなりません。


また小野田さんは、子どもたちへの教育、特に歴史教育を見直す必要を話されていました。まずは歴史を、その時代背景とともに、様々な観点からふり返ること。ある主張を、鵜呑みにせず、排除もしないこと。

分野は違えど、青年海外協力隊のOB会に関わることで見えてきたことを発信していく重要性を改めて感じました。訓練所ではほとんど触れられない、協力隊の創設の経緯やこめられた想い。技術協力が重視される中で軽視されがちな、青年育成としての側面。OB会として、まずはこれから赴任する隊員に伝えられることがあるかもしれません。


講演会のタイトルである「戦後、私たちが失ったこころ」に対しては、「責任感や恥を知る心が失われつつある。『~します。』ではなく、『~したい。』『~だと思います。』という無責任な風潮が強まっている」という話をされたのが印象的でした。また、「自立心(自律心)」「協調性」にも触れ、自然の中での様々な体験・活動を通して、子どもたちがそれらを獲得していく過程を話されました。


質疑応答を含めると1時間半ほど休みなく話される、87歳の小野田さんの、温和な外見に秘められた意志の強さを感じました。休憩を挟んでからは懇談会も行われ、写真を求める長打の列ができていました。


運営面では、青年海外協力隊のOB会が主催する講演会として、協力隊の帰国隊員が対象であることはもちろんですが、参加者を広く募ること、なるべく初めての人に聞いてもらうこと、「青年」である20代・30代の人にたくさん来てもらうこと、などを目指して呼びかけました。

結果的に、まずは200人の会場が満席になったことに安堵しました。内訳も、申し込み時のアンケートによると、協力隊の帰国隊員が半数弱、ほとんどの方が小野田さんの講演会は初めてで、平均年齢は30代と、ほぼ当初の目標どおりになりました。広報にご協力いただいた皆さん、インターネットなどで情報を転載していただいた方々、本当にありがとうございました。


小野田さんが、来場者からの質問に答え、「戦前の歴史観、そして戦後の歴史観。自分の頭をまっさらにして、その両方を冷静に比較し、何が正しいのかを自分で考えようとする人たちが、特に若い世代に増えている。私はそういう人たちに期待しています」と語った言葉に、とても励まされました。


おそらくこの報告も、自分のフィルターで、小野田さんの考えに違う解釈をしている部分も多くあると思いますが、来場してくれた友人たち、また関心を持つ人たちと意見を交換しながら、少しずつ考えを深めていきます。貴重な機会に感謝です。

タグ:青年海外協力隊東京OB会 講座

10/24(土) 小野田寛郎氏講演会へ向けて

10/24(土) ”最後の帰還兵”小野田寛郎氏 講演会まで、あと一週間。昨日は青年海外協力隊東京OB会で直前の打ち合わせをしました。数年前から発起人の野村さんを中心に、運営委員の有志で暖めてきた企画ですが、当初は会議室を借りての勉強会を予定していました。


今年の夏以降、企画を具体化していく中で、小野田寛郎さんご夫妻をはじめ、幸運にもたくさんの方のご協力を得ることができ、200人の会場での講演会という形になりました。当日に向け、最後の広報活動を行っています。

個人的にも、5年間の東京生活の区切りとなるイベントになりそうです。20代~30 代にかけて、とても濃くて充実した時間を東京で過ごすことができました。出会いに感謝、です。


ふと思い立って、久しぶりに『日本の神様カード』をひきました。結果は『伊耶那岐命(いざなきのみこと)』。「形を与える/約束を果たす/感謝」というメッセージをいただきました。


青年海外協力隊に参加することを決めた時から、ちょうど10年です。自分の経験・想いを形にできているだろうか。あの時の自分との約束を果たせているだろうか。そして、毎日に感謝できているだろうか。一つ一つをかみしめながら、日々を送ろうと思います。

そして引き続き、皆さんの講演会へのご参加をお待ちしています!

タグ:講演会

ユースリーダーズサミット 実行委員会

今年も東南アジア青年の船のスタートが近づいてきました。下船後5年が経ちますが、地方での受け入れなども含め、たくさんの同期と一緒にプログラムに関わっていられることに感謝です。


今日は、東南アジア青年の船の最初のプログラムでもある、日本・ASEANユースリーダーズサミットの実行委員会でした。ディスカッション、文化交流、イベント総務と、それぞれのチームで最終段階の詰めを行いました。

参加青年330人、ローカルユース100人、文化交流見学者150人、スタッフ100人と、最大で700人を超える一大イベント。昨年の緊張感を思い出し、少し息苦しくなりながらも、武者震いがしてきそうです。


自戒もこめて言えば、グローバルフェスタJAPAN2009で感じた国際熱には、どこか地に足の着いていない頼りなさも感じました。一方で、コミュニティや地域を元気にしていくには、外部者の協力や視点が不可欠です。


継続は力。国際交流も岐路に立つ中、これまでのつながりや経験を社会にどう活かしていけるかが問われています。内と外を一つ一つ丁寧につないでいく。実践とその発信。自分のキーワードは、いつもここから始まるようです。

タグ:東南アジア青年の船 講座

ニッポンと世界をつなぐキーワード

日曜フォーラム「ニッポンと世界をつなぐキーワードはコレだ!」を見ました。世界12か国から、日本語を学ぶ若者たち14人が日本に集まり、企業研修に参加。その中で「ニッポンと世界をつなぐキーワード」を選び、1人1人が壇上でスピーチをしていました。


それぞれの方の日本語の上手さに驚きましたが、その視点も、お国柄や個性によって独特で、普段は忘れがちな日本人の感性を思い出させてくれました。何よりも、日本語を母語としていない人たちが、興味を持って勉強し、日本語を流暢に話してくれることがとても嬉しかったです。東南アジア青年の船を懐かしく思い出しました。


上がってきたキーワードは、「ほっ」「みえる化」「お互いさま」「よしっ」「気くばり」「よろしくお願いします」「粋」「なかま」「やさしい」「有り難う」「どうぞ」「思いやり」「つながり」「一期一会」。それぞれの言葉をどのように感じたかを聞きながら、たくさん納得しました。


「粋」では、「水道の水をそのまま飲めるだけでも素晴らしいのに、その味やおいしさにこだわる姿勢に感動した」。「なかま」では、「知り合いでも友人でもなく、共同体を表している言葉。世界中の国々が、友人にはなれなくても、”仲間”意識を持つことで平和を築けるのでは」。などなど、とても含蓄のある意見でした。


外部にいるからこそ、見えることがある。日本と外国の関係でも、日本の地域においても、またコミュニティのレベルでも、内部と外部の協力・連携がとても大切なんだと、改めて思いました。


また、番組では「今」の日本を外部から見るという視点でしたが、10/24(土)の”最後の帰還兵”小野田寛郎氏講演会では、同じ日本でも、時代の流れの中で変わってきている価値観をふり返られる機会だと思い、とても楽しみにしています。


青年海外協力隊での経験は、外部者になる経験だったといっても良いかもしれません。今度は日本の地域で、最初は外部者として、だんだん内部者になっていく過程を楽しみつつ、より居心地の良いコミュニティを作っていきたいと思っています。

タグ:国際交流

市ヶ谷キャリナビ スタッフお疲れさま会

キャリナビ市ヶ谷も今年9月末で一段落。市ヶ谷に関わったスタッフで、お疲れさま会を行いました。2年半の市ヶ谷チーム、アンカーを務めた楽山さん、渡辺さん、桑原君に、心から「お疲れさま」を伝えました。

とても雰囲気の良いレストランで昼食を取ったあと、新宿御苑でのんびり。久しぶりの再会ということもあって、雑談の時間が長くなり、市ヶ谷のふり返りは途中まで。次回の日程を決め、今日は解散となりました。


自分も含め、キャリナビを巣立った修了生は300人を超えます。修了後はそれぞれの道に進み、顔を合わせたことのない人もたくさんいますが、今あるつながりを大切にしながら、いつかどこかで出会い、一緒に活動できたら楽しいな、などと妄想しています。

まずはこのサイトをもっと価値あるものにして、キャリナビに負けないくらい多くの人に見てもらえるように頑張ります!

タグ:キャリナビ 歓談

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未承認 (2017/03/19) 編集・削除

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マイペース酪農 三友盛行氏の仕事の流儀

「プロフェッショナル 仕事の流儀」今日のゲストは、北海道の酪農家、三友 盛行(みとも もりゆき)氏でした。青年海外協力隊東京OB会の先輩がこの牧場でアルバイトをしていたことがあるそうで、興味深く拝見しました。


ご自身のことを「農民」と自然に語る三友さん。開拓民として北海道に入植して40年。最初の10年は、無我夢中で樹を切り倒し、規模拡大に熱中したそうです。

しかし、ふと立ち止まってふり返ったとき、自分があこがれた原風景である「木と草に囲まれた自然の農場」とは程遠い現状に気付き、悩んだ末、農場の1割に木を植える決断をしたそうです。


木を植えるということは、草地が減る。つまり、飼育できる牛の数を減らすということ。どんな仕事でも、特に経営者や自営業者にとって、規模を縮小するという決断は、本当に勇気のいることだと思います。三友さんは、その決断をしました。その理由は、「立ち止まり、足るを知る」ため。とても心に響く言葉でした。


そうして、自分の身の丈にあった「マイペース酪農」を始めた三友さんの農場では、もちろん売り上げは減ってしまいましたが、意外にも利益が落ちなかったそうです。それは、経費が減ったことに加えて、牛へのケアが行き届くようになったことで、病気が減ったことや、乳の収穫量が上がったことによるもの。

何より、牛が幸せそうになったと、三友さんは微笑みます。自然相手の苦労は今も変わらないそうですが、今では「酪農の神様」として、視察や講演依頼が絶えないほどになっています。


自分が一番心に響いた言葉は、取材者が三友さんに「なぜ自然の農法にこだわるのか」と尋ねた時の、三友さんの答え。「自然とともに生きる。それが農民の矜持だよ」です。矜持(きょうじ)。久しくこの言葉を聞いていなかったように思い、まずは新鮮でした。

「プライド」という言葉が浸透し、自分も好きな言葉の一つですが、矜持にはもっと重い、背筋が自然と伸びるような響きを感じます。国語辞典には、「自信や誇りを持って、堂々と振る舞うこと。」と書いてありました。


自分を農民と言い切り、矜持を持って生きる。三友さんにとって、酪農は天職なのでしょう。天職にしたがって、日々を謙虚に生きる人は、本当にかっこ良いです。


キャリナビのメンバーが取材した、徳島県上勝町の菖蒲 増喜子(しょうぶ まきこ)さんも、三友さんと同じく、穏やかで優しい顔をしていました。菖蒲さんは、おばあちゃんたちの葉っぱビジネスとして世界中から注目されている「いろどり」農家のお1人です。


自分も矜持を持って生きたいと、強く願っています。想いは漠然としていて、なかなか現実の仕事に落とし込めていませんが、次の転機を好機と捉えて、ゆっくりじっくり見つけていこうと思います。三友さん、菖蒲さんのような、素敵な大人になるために。

タグ: 講座

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かんちゃん (2009/10/08) 編集・削除

ステキですね。毎回録画して見ている番組の1つです。
酪農とお野菜作りをしているお友だちがいますが、
年中無休で対自然のお仕事は本当に大変そうなのに、
「めざせ楽農家!百姓=百笑」だと地産地消の活動にも
頑張っているそうです。
私の天職は。。。!?社会から一歩離れた生活も長くなってきましたが、
幼い頃から思い描いてきた母業なので、今は専念したいと思っています☆

coach (2009/10/08) 編集・削除

かんちゃん、コメントありがとう!
三友さん、素敵だよね。柔らかい表情がとても印象に残っています。
酪農家(楽農家)のお友達、とてもポジティブで、笑顔が伝わってくるようです!地産地消、自分の暮らしの中に少しずつ、無理をせず取り入れていきたいなぁ。
子育て、楽しんでる?それこそ、社会のとても大事な基盤だと思っています。農業も子育ても、命を育むものをもっと身近に感じる暮らしを送るつもりだよ。

グローバルフェスタJAPAN2009で「エコ」を考える。

グローバルフェスタJAPAN2009に参加しました。青年海外協力隊東京OB会のブースで、10/24(土) ”最後の帰還兵”小野田寛郎氏講演会の広報をしつつ、他団体のブースを見て回りました。参加希望団体が増え続けているそうで、初めて知る団体をいくつも見かけました。

1日目が雨だったこともあり、来場者は昨年より若干少なかったようにも感じましたが、日本青年国際交流機構(IYEO)のポストカードの売れ行きも好調だったようで、一安心です。


新しい団体や人との出会いが楽しいのはもちろんですが、今回もたくさんの友人に会うことができました。以前の職場の大先輩や、青年海外協力隊の活動時に訪れたキャンドゥ(CanDo)のスタッフの方とも再会でき、とても嬉しかったです。


一番驚いたのは、偶然ブースを訪れてくださった方と話をする内に、今はマレーシアで働いている親友の、奥さんのご家族であることが分かったことです。本当にびっくりしました。


毎年楽しんでいるグローバルフェスタですが、運営団体やその方針が頻繁に変わってしまうことはとても残念です。これも、中身は問わず入札価格のみで委託先を判断する一般競争入札の弊害の1つかもしれません。

大規模なイベントを少人数で運営せざるを得ない予算状況など、厳しい現実と戦っている運営団体のスタッフの皆さんには、本当に頭が下がります。ただ、ブース出展者として、あえて疑問もお伝えしたいと思います。


特にここ数年の、ブース出展者に対するごみ規制の異常な厳しさは、とても疑問です。出展者がなるべくごみを出さないように工夫することはもちろんですが、ごみをブース出展者に全て持ち帰らせ、「ごみの排出量が減りました」=「エコです」というのは、どうでしょうか。偽善ともとられかねないと思います。

グローバルフェスタという事業から出るごみは、「事業ごみ」として事業者が責任を持って処理するべきごみです。会場で出たごみは、会場できちんと回収するのが基本で、そのための費用負担が必要であれば、ごみの量に応じてブース出展者から回収すれば良いことです。その現実的な対応が、ブース出展者によるごみの減量にもつながるのではないでしょうか。


グローバルフェスタに出展する団体の多くは小規模なNPO・NGOです。中には事務所を構えられない規模の団体もあり、そういった団体はどこにごみを捨てているのでしょう。本来の事業ごみが団体スタッフの家庭ごみになったり、道端のゴミ箱やコンビニ・商店のゴミ箱に入ってしまう危険性も十分にあり、それでは全くの本末転倒だと思います。


ごみを持って電車に乗るわけにも行かず、一昨年は宅急便で事務所まで郵送しましたが、そのばかばかしさから、昨年と今年は備品と一緒にタクシーにごみを積んで運んでいます(それも空しく、ドライバーさんにも申し訳ないです)。

ごみの回収に関しては毎年主催団体に訴えていますが、全く改善されないどころか、今年はついに調理で使った油も回収しないという改悪がなされました。いったい、グローバルフェスタの「エコ」は、どこへ向かうのでしょう。。。


いっそ、今後のグローバルフェスタでは、飲食ブースゼロ、配布チラシゼロ、物を使った体験コーナー(ごみの出るもの)ゼロ、販売品の梱包ゼロなど、ごみゼロに向けて本気で取り組んでみてはどうでしょうか。世界に向けて「環境先進国を目指す宣言」をしたばかりの日本を象徴するイベントというのは、それはそれで魅力あるものになるのかもしれません。

もちろん、その様なフェスタに人を集める工夫が必要です。同時に、フェスティバルでの飲食物の販売が貴重な資金源になっている団体や、配布ビラが会員獲得の有力ツールになっている団体など、特に小規模のNPO・NGOにとってのサポートも慎重に考える必要があります。


グローバルフェスタの運営団体の皆さんには、これからもぜひ継続して運営していただきながら、来場者はもちろん、ブース出展者の声にも耳を傾けてほしいと願っています。そして改めて、主催団体、ブース出展者、来場者の皆さん、素敵な時間をありがとうございました!

タグ:国際交流

藤原正彦氏講演会「日本のこれから、日本のこころ」

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「国家の品格」の著者、藤原正彦氏の講演会「日本のこれから、日本のこころ」を聞きました。青年海外協力協会(JOCA)の設立25周年記念イベントの基調講演でのことです。

著作に触れたことがなく、初めてお話を伺いました。数学者として世界中を訪れ、そして世界の有識者と交流する機会を持つ藤原さんの、視野の広さと感性がたっぷり伝わってくるお話に感銘を受けました。


日本人の持つ独特の美的センスや感性が、日本の気候(四季)や風土、島国といった環境の影響により、長い年月をかけて形作られてきたことを分かりやすく話していただき、とても共感しました。


素質や才能、感性や美的センスは人それぞれで、その民族的な差よりも、環境から受ける影響の方が大きいと思います。日本に特異性が有るとすれば、海に囲まれ、国土は山ばかりという豊かな、そして四季や地震・台風という厳しい自然、その地理的な条件によって育まれた歴史が、幸運にも数千年・数万年持続していること、そこから生まれているのでしょう。


藤原さんはそのことを「お国柄」という言葉で表現していました。そして、豊富な資源もグローバル社会を勝ち抜く金銭感覚もない日本にはお国柄しかないこと、市場原理主義が行き詰まりを見せる中で新たな価値観を提示していくために、(あまりに独特な)お国柄を日本人が再認識する必要性を力説していました。


論理・合理・民主主義(多数決)に世界中の人々が傾きつつある一方で、情緒・感受性・少数意見を大切にする動きやエネルギーも高まってきているように感じます。「良いものは美しい、美しいものは正しい。」「自然を守る、農家を守る。日本人の美的感受性の源泉である農村の風景を守るために、贔屓(ひいき)してでも、何としても守り抜く。」という藤原さんの力強い言葉に触れ、パワーをもらえました。


講演会の終了後、栃木県青年海外協力隊OB会の高橋会長や徳島県青年海外協力協会の嵯峨山会長に、今の農業の現状についていろいろとお話をうかがいました。

お2人から伝わってくる危機感は、「農家を守り抜くんだ」という藤原さんと通じるものがあるように感じました。その危機感を、農林水産業に従事していない自分たちが共有するために、これからも体験と発信を続けようと思います。

タグ:講演会

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